アフリカン・フェア2013 結核シンポジウム

5月31日



 事務局長の成瀬が理事を務める認定NPO法人主催のシンポジウムが行われ、成瀬と若狹が出席しましたので、ご報告致します。
 このシンポジウムは、第5回アフリカ開発会議に先立って開催され、アフリカでの結核に関する最新状況の発表が行われました。

                                                 (文責:若狹)




Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2013年06月03日20:26

謹賀新年

1月1日

 謹んで新年のお喜びを申し上げます。

 旧年中は多くの方々に大変お世話になりました。

 オープンミーティングの実施、多方面への視察と研究、そのすべてがメンバーだけでは困難なことであり、ご協力・ご参加頂いた皆様のお力添えの賜物であると感謝致しております。

 年末に衆議院議員選挙が行われました。今年7月に参議院議員選挙が予定されており、この結果次第では、この国の行く末が決まる可能性もあります。当会ではこれまで複数回に渡り、国会議員・首長への政策提言を行うことで政治との関わりをもって参りました。

 特に前回の衆議院選挙におきましては、代表の若狹が、旧減税日本(日本未来の党)の公認候補として選出されました。最終的には、公認辞退という形になりましたが、今後も形は違えども政策提言等を通して、政治と関わりを持ち、政策の実現可能性を高めていきたいと考えております。

 詳細につきましては、次回のオープンミーティングでご説明させて頂きます。

 今後も「患者・医療関係者、双方の視点から医療政策を提言し、日本の未来に光を照らす」という、当会設立の本旨を貫いて参ります。何卒、今後とも宜しくお願い申し上げます。

 また文末になりましたが、皆様には幸多き年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

   Freedom to Patients
~患者視点の医療政策を考える会~
     メンバー 一同


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2013年01月07日11:51

第5回オープンミーティングを開催致しました

6月9日



 第5回となる今回は「患者の選択」をテーマに、患者会顧問、学生、看護師、研究者、企業経営者等々、幅広いバックグラウンドを持つ方々にご参加頂きました。

 当会より、日本及びアジアにおけるメディカルツーリズムの現状や、フィリピンの医療事情等をご紹介して、参加頂いた皆さまにも、それぞれのお立場からのご意見を頂戴しました。そのなかで、日本の患者にはあらゆる意味で「医療における選択肢」がほとんど存在しないことが、改めて浮き彫りにされました。

 後半は、問題解決のために患者への情報提供や、それに伴う具体的な打開策についてもご発言がなされ、会場の貸し切り時間ぎりぎりまで意見交換を行いました。

 参加頂いた皆様におかれましては、忌憚のないご意見を多数賜りましたこと、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。特に今回は、当会の今後のアウトプットの方向性をも見出すことができました。誠にありがとうございました。

 また、頂戴しましたご意見の一部は当会の【患者の声】のページにてご紹介をさせて頂きます。
                                                  (文責:若狹)


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2012年06月10日18:37

【ご案内】 6月9日(土) 第5回オープンミーティング

5月12日

 第5回となる今回は、「医療における患者の選択」をテー​マに、患者と医療従事者、双方の視点から、「日本の患者​は、なぜ病院は選べても医療を選択することができないの​か?」について、意見交換をできればと思っております。

 また、当会の海外担当より、事例紹介としてフィリピンの​医療事情について、メディカルツーリズムの観点からご報​告もさせて頂きます。

 そして、前回ご議論頂いた「理想の病院」の存在を阻む具​体的な要因は何なのか、そして、当会の考える「理想の病​院」を作るための打開策も、同時にご提示させて頂きます​ので、皆さまにその打開策についても、ご意見を賜りたいと考えております。

 今回のオープンミーティングも当会の活動をより多くの方​に知って頂き、忌憚のないご意見を賜ることを第一に考え​ておりますので、宜しければご友人等もお誘い合わせのう​え、お気軽にご参加ください。


                記

日 時 6月9日(土) 14:30 ~ 16:30(開場14:00 ~)
            
場 所  港区立虎ノ門いきいきプラザ(http://p.tl/pyKy-

アクセス  地下鉄銀座線虎ノ門駅 1番出口 徒歩7分

                          ​       以上

予定プログラム
14:30 ~ 開会あいさつ
14:35 ~ FTP活動報告(「理想の病院を妨げる要因は何か?​」)
14:50 ~ 質疑応答
15:00 ~ 休憩
15:10 ~ オープンミーティング(フィリピンの医療事情報告)
       自己紹介、ブレスト、意見交換等
16:25 ~ 閉会あいさつ


また人数確認のため、恐れ入りますが 6月3日(日)までに、出席の
ご連絡を下記アドレスまで頂ければ幸甚です。

ご参加連絡はこちらへ ⇒ freedom2patients@gmail.com

========【第5回オープンミーティング】===​=====
お名前:
所属:(お勤め先、活動団体等)
E-メール :
参加人数(ご本人も含めて)  名
==========================​==


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2012年05月12日23:50

都内における病児保育事業の現状と課題

3月25日

 当会代表の若狹は、平成23年度・厚生労働省「病児・緊急預かり対応基盤整備事業」の委託団体「病児保育を作る会」の当該事業専任担当として、東京都内の病児保育の拡充を行って参りました。その報告をさせて頂きます。

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 -はじめに-
 病(後)児保育は、子どもが風邪などの体調不良で、普段通っている保育園などに登園できないとき、保育園や保護者に代わって子どもを保育・看護する支援活動です。「病児」と「病後児」の違いについては、厳密な線引きは無く、おおまかに「病児」は発生期(急性期)の子ども、「病後児」は回復期とされています。キャパシティーによって病児保育を行うのか、病後児保育のみなのかを運営主体となる各団体が選定しています。

 病児保育には、医院併設の施設や保育園併設の施設で行う施設型と、子どもの自宅などに援助者が赴く、または援助者の自宅で子どもを預かるなどの非施設型があります。施設型の運営は各自治体や、医療法人・NPO法人などにより行われています。

 一方、非施設型の病児保育事業は、NPO法人などを対象に平成17年度から国・厚生労働省の事業で「緊急サポートネットワーク事業」、平成21年度から23年度は「病児・緊急預かり対応基盤整備事業」と名称を変え、各都道府県1団体(都内は2団体)を受託団体として、病児保育の運営及び、拡充のために各自治体への事業提案が行われてきました。

 当会(病児保育を作る会)は、平成23年度の「病児・緊急預かり対応基盤整備事業」の受託団体として、東京都内において各自治体の現状に即した病児保育事業の提案や、周辺自治体の動向及び制度情報の提供を中心に活動を行いました。その中で見えてきた都内における病児保育事業の現状と課題について報告を致します。


 ―都内における病児保育事業の現状―
 平成23年4月現在の都内での病児保育の実施状況は、図1の通りです。自治体ごとに病児保育施設、病後児保育施設、自園のみ対象の体調不良児施設の有無、非施設型の病児保育事業の有無を色分けして一瞥できるようにしてあります。ファミリー・サポート・センターの基本事業に付加事業(緊急サポート事業)として行う形で、非施設型の病児保育事業を行っている自治体は中野区、新宿区、清瀬市です。

 また4月~6月にかけて、都内ですでに何らかの病児保育制度を利用している方を対象にアンケート調査を、各自治体を対象にニーズ調査を行いました。アンケートの項目で「子どもの預かりについて市町村でおこなってほしい内容」(図2)について、最も多かった回答は全体の43%を占めた「病児・病後児保育」でした。

 自治体へのニーズ調査については、各自治体へ封書で資料と調査用紙を送付し、病児保育事業の現状と今後の方針について、電話もしくはFAXでご回答を頂きました。そして、その回答を基に、伊豆諸島を含め40を超える自治体へ赴き、担当者に直接ヒアリングを行いました。その結果、実際にニーズが無いと伺ったのは、人口約2,000人の桧原村と人口約150人の青ヶ島村のみでした。

 ニーズに対する対応については、既に「病児・緊急預かり対応基盤整備事業」もしくは類似事業の導入を検討している一部の区市町村を除いて、自治体の多くが施設型志向であることがわかりました。比較的予算に余裕がある自治体については、「できれば将来的には病児保育施設を作って(増設して)対応したい」という声が多数を占めています。

 一方、それほど予算が捻出できない区市町村部においては、担当者レベルでは予算と安全性の確保のバランス次第で、ニーズに対応するために非施設型・病児保育事業の導入の可能性について前向きな自治体も複数ありました。


 -都内における病児保育事業の課題-
 施設型と非施設型(緊急サポート)の病児保育事業はそれぞれ特徴(図3)があり、自治体のキャパシティーによって選択されていますが、施設型の場合、病児対応施設(医院併設)と病後児のみ対応施設(保育園併設)については、分けて考える必要があります。

 都内自治体での全体傾向を分析すると、優先順位の第1位には施設型の病児保育が選択されていますが、施設型の病児保育施設の開設運営費は、都内であれば年間1,000万円程の経費が掛かります。そのなかでも、医院併設の施設(病児対応)と保育園併設の施設(病後児のみ対応)は同じ施設型ではありますが、費用対効果・住民ニーズの満足度が大きく違ってきます。

 病児対応施設(医院併設)と病後児のみ対応施設(保育園併設)の双方が運営されている豊島区の例では、病児保育施設の年間予算額932万円・利用回数は274回/(平成21年度)に対して、病後児のみ対応施設では年間予算額584万円・利用回数は91回/(平成19年度)となっています。

 また、非施設型の病児保育と病後児のみ対応施設を運営している中野区の例では、病後児のみ対応施設(2施設)の年間予算額753万円(平成20年度)・利用回数は122回/(平成21年度)に対して、非施設型(緊急サポート)は年間予算額534万円・利用回数は238回/(平成21年度),363回/(平成22年度)となっています。

 このことから、費用対効果・住民ニーズの満足度を鑑みれば、病児保育事業の適切な優先順位は、第1位に病児対応施設(医院併設)、第2位には非施設型(緊急サポート)と考えるのが妥当です。

 しかしながら、現実的には非施設型は都内では少数派となっています。予算的には施設型より自治体負担額は大幅に少ないにも関わらず、普及していない背景には安全性に対しての不安が第一に挙げられます。医院併設の病児保育施設では専門職が看護・保育し、容体急変時には医師による診察も迅速に行えるという利点は、他の方法には代えがたいものであることは確かです。しかし、平成24年3月現在、非施設型の病児保育においても重大な事故や死亡案件は報告されていません。これは、医院併設の病児保育施設には劣るものの、非施設型の病児保育事業においても、限りなく安全性を高める方法が考慮され実行されているからに他なりません。

 では、具体的にどのような手法が採られているのか、ご紹介致します。

 中野区では、子どもを預ける前の事前受診を必須として、必ず家族に行ってもらいます。また常勤看護師が各戸巡回を行って安全確認をしています。子どもを預かる協力会員には厚生労働省定める24時間の講習時間を超える26時間の専門講習を受けてもらい、有資格者(保育士・准看護士・ベビーシッター・ホームヘルパー2級等)を確保するよう努力しています。

 清瀬市では、受入時間を医院が開院している時間帯(7:00~20:00)に設定し、協力会員への報酬額を1.000円と若干高額に設定することで、依頼会員の安易な預けを排除し、セイフティーネット的な役割を担うことを目的としています。また、これまでの基本講習24時間に、病児保育関連科目を加え、全30.5時間の講習を実施しています。そして提携医師に医療アドバイザーとして、提供会員のフォローを依頼して安全性を高めています。

 埼玉県草加市では、システムや費用を記載した「病児・病後児サポートファイル」作成して、提供会員全員に配布しています。預かり時間が長時間になる場合は、必ずアドバイザーが状況確認の電話を入れる事とし、アドバイザーは必要時に駆け付けられる体制を維持しています。理事でもある小児科医師を医療アドバイザーとして、緊急時の提携病院も確保して安全性を高めています。

 三つの自治体の安全対策の手法を一覧にまとめた図4には、非施設型の病児保育で行う一連の業務毎にポイントを記載しています。最低限これだけの安全対策を施していれば、現実に非施設型の運営を常時行いながら、重大な事故は防げるものと考えています。

 現状において最も重大な事故に繋がる危険性を内包しているのは、病児を預かる専門研修を受けずに子どもを預かっているケースです。非施設型の病児保育事業は、研修を受けたファミリー・サポート・センターの協力(援助)会員が、事務局のコーディネーターを介して病気の子どもを預かるというシステムが一般的ですが、病児保育を制度化・事業化していない自治体では、研修も受けていない会員同士の相互のやりとりのみで、かつセンター(事務局)も感知できない状態で病気の子どもの預かりが漫然と行われています(図5)。

 事実、過去数年間に渡りこのような実情を放置してきたことへの危機感から、新宿区が平成23年度より非施設型「緊急サポート事業」を導入する形で病児保育の制度化・事業化に踏み切りました。子どもの安全を考えれば、ある意味で当然かつ必然の行動であったといえます。

 自治体ごとにおかれている状況は異なるとしても、病児保育のニーズに対応しきれていない理由は予算と安全性の2つがその最大のものであることは確かです。非施設型の病児保育事業であれば、予算は実情に即してフレキシブルに対応可能です。また安全性の確保についても、重大な事故が起きていないという現実が、非施設型・病児保育事業の有用性を表しているといえるでしょう。この事業に関わる全ての方が、子どもの安全を第一に考えて行動されているその姿勢が、この結果を産んでいるということは、もちろん言うまでもありません。

 
 ―おわりに―
 病児保育事業は本質的には必要とされることが無い、というのが理想です。子どもが体調不良時には、両親もしくはどちらかが無理なく仕事を休める社会風土を作り上げる、もしくは保育園・託児所等に医師が常勤できるようになれば、必然的に不必要となります。

 現状においてそのどちらもが不完全であり、このことから病児保育事業は、これは筆者の造語になりますが、将来的には不必要となることを目指す事業という意味で「消極的必要事業」と名付けました。

 一方、子育てと仕事を両立できる社会を築くこと、医師の人件費を下げて増員するというような政策は「積極的必要事業」として最優先で取り組むべき事項といえます。全ては子どもの健全な生育の為に判断し、そして決断されなくてはなりません。

                                                       了

以下、参考資料






Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2012年03月25日17:55

「八王子メディコポリス構想」10年後の八王子、50年後の日本

2月22日

八王子改革委員会・医療部会(2月20日開催)にて、若狹がプレゼンを行いましたので、その資料を掲載致します。
PDF版も当ブログの【研究資料】にUPしておりますので、ご参照ください。

八王子メディコポリス構想(素案)
八王子改革委員会 2.20 医療部会 プレゼンテーション資料

 私の提案するメディコポリス構想が実現されたら、10年後の八王子はこんな街になっている。というのを、A子さん一家の生活を紹介することで、ご説明に代えさせて頂きます。


10年後の八王子(A子さん一家の生活)============

A子さん 32歳 通訳(パートタイマー)   年収300万円
  17歳の時に1型糖尿病をり患し、定期的に通院しなければいけない

夫 39歳 MSW(サラリーマンから病気を機に転職) 年収700万円
  3年前に腎不全を患い以後、週3回、一回4時間の人工透析を受けている

子供 2歳 男の子
==============================


 慢性的な疾患を抱えているA子さん一家ですが・・・・・・

 10年後の八王子では、
 健康についての不安はありません 
→ 八王子は健康医療特区であり、日本最先端かつ最高の医療を受けることができます。また夫も、近くの24h年中無休の診療所で、予約をすれば希望の時間に人工透析を受けることができます。

 生活についても不安はありません 
→ 東南アジアを中心に多くの方が先端医療を学びに街を訪れるので、仕事も十分にあります。A子さんは趣味の英語を生かし近所の診療所で医療通訳の仕事をしています。夫は病気を機に会社を退職し、新設されたMSWの資格を取得して市内の病院に勤務しています。安定収入があり、やりがいも感じています。
 
 子供に関しても、医師・看護師が常勤する託児所に預けることができるので、A子さんは安心して出産後すぐに職場復帰ができました。
 
 そして、来月には家族が増えます。ホームステイを受け入れるのです。フランス人とタイ人の医学留学生(共に女性)が、先端医療技術を学びに八王子にやってきます。A子さん一家は二人が来日するのを今からとても楽しみにしています。


 このような10年後=「八王子メディコポリス構想」を実現するために
 必要な政策的課題は以下の2点

・政令指定都市への昇格&医療特区の認定
 ⇒ 診療所の開設許認可権を取得し、既存の医療法に縛られない特色のある診療所を任意に開設する。

・家庭医(総合医)の養成
 ⇒ 24h年中無休の診療所を成立させるためには、総合的な診療能力を持った医師が最低2人は必要。また、国内の医療費不足と医師の偏在(地方の医師不足)を解消する手段としても不可欠。



今後の活動=具体的第一歩
プロジェクトチーム(準備委員会)の発足

・家庭医養成プログラムの構築と受け入れ態勢の整備
 日本プライマリ・ケア連合学会、静岡家庭医養成プログラム等を参考に、2年後には家庭医の養成を始められように準備を整える。

・政令指定都市及び特区申請の準備
 政治・行政に働きかける必要があり、市長・市議、行政担当者に本構想の有用性・実現性の高さを理解して協同してもらう。

・広報・勉強会・講演活動の運営
 八王子メディコポリス構想を少しでも早く、「一民間団体の活動」から「八王子市の取り組み」へと意識・組織の変革を図ることが重要である。
 

 最終的には八王子をモデルケース(成功例)として、日本全国に10カ所程度メディコポリスを作り出したいと考えています。

 八王子は健康医療特区として、慢性的な疾患を持つ人でも健康で長生きできる医療を提供することに特化しますが、他のメディコポリスではたとえば、小児医療に特化した医療を提供したり、補聴器や義手・義足等の身体補助具の装着や人工関節に特化した医療を提供するなどの特色を持たせます。

 また全てのメディコポリスで家庭医の養成を行うことで、地方の医師不足、医療費の適正配分、病診連携等の国内の医療問題を解決して、医療を産業化して外貨を稼ぐための基盤を整備します。


 そして、上記の構想も実現した50年後の日本は、世界からこのような評価を受けているでしょう

 世界最先端の医療研究と治療実績、そして人種・宗教・ 政治体制により差別されることのない医療を世界に提供する日本はこう呼ばれている。

「世界の病院」

また、安全保障を「軍事力」ではなく「医力」(医療による抑止力)で達成し、世界で唯一対外軍事力を完全放棄した経済大国として日本はこう呼ばれている。

「世界平和の中心」
 
                                                            以上







Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2012年02月22日11:24

世界平和すら通過点に過ぎない

1月25日

 私は人類存続主義者です。
 ですので、私の目指す理想は、私たちの子どもやその子どもの子どもたちが、ずっと笑顔で暮らせる人類社会を存続させることです。

 しかし、そのためには絶対にクリアしないといけない問題が存在します。
 それは、地球の寿命です。
 最大でも50億年、最短で数百年で地球の環境は人類の存続に適さなくなるという研究論文も存在します。可能性は低いものの、場合によってはあと100年程で、我々はこの地球から宇宙へと生存の場を移す必要に迫られるのです。

 人類存続のための唯一の方法である、宇宙への進出。
 これをわずか100年程度で現実に達成するためには、なによりもまず世界平和が求められます。その理由は2点あります。

 まず1点目は、人類が持つ科学力・人的物的資源を世界規模で集約する必要性です。そのためには、国家間の既得権益の奪い合い等の排除は不可欠です。

 そして2点目、今のまま人類が宇宙に進出しても、それは宇宙にとって人類は環境を破壊する害虫でしかありません。デブリという名の廃棄物の無差別放棄の例を挙げるまでもなく、地球との共存に成功したとはいえない人類は、同じ過ちを繰り返すでしょう。我々は生物種として精神的に一段階成長する必要があるのです。その分かりやすい成長の指標が世界平和です。
 これが達成できれば、少なくとも人類は我欲を理性で抑制することのできる知的生命体であると証明することができます。この成長をもって宇宙へと進出することが、今後の生活の場となる宇宙への最低限の礼儀だと考えます。

 世界平和の実現。
 では、どのようにして世界平和を実現するのか、いくつかの方法論があります。
 何をもって世界平和と定義するのかで、その答えも変わってくるかとは思いますが、前述の目的に照らして、国家間の戦争や紛争の根絶された社会を世界平和と定義したいと思います。

 戦争・紛争は当然のことですが、武力(軍事力)による他方に対する抑圧・抵抗行為です。政治学上、戦争は外交の一手段とされていますが、ほぼすべての国家が自国の安全保障の手段として武力を保持しています。ということは論理的には、ほぼすべての国が戦争・紛争の当事者なる可能性を持っていることになります。
 パワーバランスによる平和の維持が、どれほど脆く崩れ去るのかはすでに歴史が証明しています。現状維持は打算と妥協でしかありません。
 このような状態では世界平和など夢のまた夢と言っていいでしょう。

 ではどうすればいいのか。
 一つの方法論として「軍事力に拠らない安全保障の成立」を提言します。
 国家の安全保障を武力(軍事力)以外で達成することができれば、少なくとも国家間による戦争・紛争を根絶できます。
 では具体的にどのような手段で安全保障を成立させるのか、地政学的見地、資源の有無、歴史・文化等々の要因を鑑みれば、日本においては「医療による安全保障」が最も妥当であると考えます。

 唯一無二、そこまではいかないとしても世界最高クラスの医療を、国籍・宗教・人種の差別なく提供することで、日本には世界各国から患者やその家族が集まります。
 そこに居るのは富裕層に属する人達が大半を占めることは容易に想像ができます。そしてその人達は同時に、各国で政治的決定権を持つ人、もしくはその家族や関係者、または彼らに影響力を持つ人物である可能性が非常に高いのです。
 なぜなら、現実として貧困層に属する人達は政治に対する決定権を持っていないからです。

 当然、貧困層の人達に対しては別途、国家レベルでの医療協力・支援を行う必要があります。そのためのインフラとして病院船やドクタープレインの製造・配置、法整備や人材育成等を推進する必要があります。
 これは経済政策的には単なる出費と思われがちですが、この過程で人材雇用・設備開発などの経済効果も見込め、支援を通じて日本の国際的地位の向上にもつながる、実は費用対効果の高い政策なのです。

 話を戻します。多くの国において国政に影響力を持つ人物は、本人はもちろん、一族郎党・関係者も富裕層に属していることがほとんどです。
 そのような人達が数多く滞在する日本に敵対的行為を仕掛け、医療行為の遂行を侵害することは、複数の国家を敵にまわす自殺行為であり、外交としての戦争の観点からも下策となります。これが「核(軍事)抑止力」に代わる新しい概念「医療抑止力」です。

 現状の日本は在日米軍と自衛隊の軍事力により安全保障が担保されています。現状を鑑みれば、軍備の増強や核武装すら現実的な選択肢として、少なくとも議論の俎上には載せるべきであると思います。安全保障は国の最大の義務であり責務です。万難を排して国を守らなければなりません。

 もし米軍基地を国内から撤廃したいなら、この国は独自で安全保障を成り立たせる必要があります。なぜなら国家の基盤たる安全保障を他国に頼っているということは、その国には実質的な政治的決定権が存在しないことと同義だからです。
 TPP問題がその象徴です。これはすでに「参加」がアメリカの圧力により、国内議論に関係なく決まっていた出来レースです。仕方がないのです。現状この国には「参加」「不参加」を決める政治的決定権など存在しないのですから。同様に国内から米国の基地を排除する「決定」など、現実的にそもそも行えないのです。

 このような現状を打破するために、軍事力による安全保障を前提に考えれば、現在の兵力・装備を考慮すれば、十全に国を守るためには核武装も現実的な選択になるでしょう。国民の多くがその選択を望むのであれば、それもまた日本という国の目指すべき未来の一つかもしれません。

 しかしながら、その選択を選んだとしても重大な問題が存在します。軍事力による安全保障を維持するためには莫大な予算が必要です。なぜなら、軍事力による安全保障が成立するためには、常に周辺諸国の脅威となるだけの武力を常時備えておく必要があるからです。隣国が武力を増強すればそれに比して必要な増強を行わなければ自国を守ることが困難になります。

 国家の最優先事項は安全保障(国民の安全)です。経済的に苦しかろうがなんだろうが、必要に応じて軍事費を計上しなくてはいけません。
 軍事力による抑止効果を得るためには、対外脅威に比して軍備の維持もしくは増強が必ず求められます。

 今後、東アジア地域で対外脅威が治まる方向に行くことはまずありえません。であるならば、膨大な金額を軍事予算として国防費に計上する必要があります。世界的に先進国の経済が低迷している昨今、どのようにすればその予算を確保できるのでしょうか。
 軍事費(安全保障費)が国庫に占める割合は各国で差異があるとはいえ、膨大な金額であり負担であることは周知の事実です。そして武力(軍事力)による安全保障を続ける限り、その額は年々増えることはあっても減ることは考えにくいこともまた純然たる事実です。

 実際この問題は、日本のみならず世界中の国々で、今後30年の間に深刻かつ重要な問題として、衆目を集めることになると予測しています。現在の先進国のほとんどが経済的な問題で軍事力によって自国の安全保障を担保することが難しくなります。現実にこのような体制で既に行き詰った国家が存在するのを我々はよく知っています。先軍政治を標榜する北朝鮮です。
 「軍事力に頼らない安全保障の確立」、それが30年後の世界では最も大きな政策課題となっているでしょう。
 

 しかしながら、軍事力以外の方法で安全保障を成立させることができれば、多くの国で毎年GDPの1%~10%程度を費やしてきた軍事費を永続的に削減し、その分を社会保障など他の分野に回すことが可能になるのです。

 「医療による安全保障」の具体的な中身やその方法については、拙著の論文*1『医療格差の是正-「総合医療区域」の創設-』で国内の医療格差(医師不足問題)の解決策と共に記しておりますので詳細は控えますが、まず海外から患者を受け入れる体制づくりの前に、国内の医療問題を解決する必要があります。それらを解決するキーワードが「医療特区」「家庭医」です。
 そしてインフラを整え、まず先進国たる日本が、安全保障が軍事力以外で成立するのだという成功例を世界に先駆け示します。これにより多くの国が現実的な課題として「軍事力に拠らない安全保障」を認識することでしょう。

 この状態を作り出すことができれば、世界平和も夢ではなくなります。そして世界平和を通過点として、人類は存続への途を歩むことが可能となるのです。


*1 研究資料(論文サマリー、論文要約)参照

                                                  文責:若狹 義臣


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2012年01月25日08:23

謹賀新年

1月1日

 謹んで新年のお喜びを申し上げます。

 東日本大震災で被災されました方々に謹んでお見舞いを申し上げます。

 旧年中は多くの方々に大変お世話になりました。

 3回に渡るオープンミーティングの開催、多方面への視察と研究、そのすべてがメンバーだけでは困難なことであり、ご協力・ご参加頂いた皆様のお力添えの賜物であると感謝致しております。

 解散総選挙も噂されており混迷を深める政治の中で、医療政策は迷走の度合いを一段と深めています。医療費は年々増加することが自然であり、その増加分をどのように補うのか、その議論とそのための政策を提示をすることが、最も必要なことであると我々は考えています。

 今年の当会は、「医療費の自然増にどのようにすれば対応できるのか」をテーマに政策を提示したいと考えております。そのために必要な活動を邁進致します。キーワードは「家庭医」と「メディカルシティ」です。

 今後も「患者・医療関係者、双方の視点から医療政策を提言し、日本の未来に光を照らす」という、当会設立の本旨を貫いて参ります。何卒、今後とも宜しくお願い申し上げます。

 また文末になりましたが、皆様には幸多き年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

   Freedom to Patients
~患者視点の医療政策を考える会~
     メンバー 一同


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2012年01月03日10:30

第4回オープンミーティングを開催致しました

12月11日

 第4回となる今回は「理想の病院」をテーマに、看護師、患者会顧問、福祉関係者、研究者、企業経営者等々、幅広いバックグラウンドを持つ方々にご参加頂きました。

 前半は、当会の若狹が9月に行った小笠原村診療所の視察について、現場で知り得た情報を中心にご報告を致しました。詳細はブログの〔活動報告〕の記事をご覧頂ければ幸いです。
 
 後半は「理想の病院」をテーマに、患者視点からは「このような病院に通いたい」、医療従事者視点からは「このような病院で働きたい」という観点から様々なご意見を頂戴しました。また日本の医療全般について本質的な議論が交わされ、会場の貸し切り時間ぎりぎりまで意見交換を行いました。
 
 今回頂いた意見を集約して暫定的な「理想の病院」を設定して、その存在を阻む原因を洗い出し、同時にその打開策も提示して、次回のオープンミーティングで参加者の皆様にご提示する予定です。

 参加頂いた皆様におかれましては、忌憚のないご意見を多数賜りましたこと、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

 また、頂戴しましたご意見の一部は当会の【患者の声】のページにてご紹介をさせて頂きます。
                                                  
                                                  (文責:若狹)


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年12月12日10:40

【ご案内】 12月11日(日) 第4回オープンミーティング

11月11日

 第4回となる今回は「理想の病院」をテーマに、患者と医療従事者双方の視点から、「こういう病院が近隣にほしい」「こんな病院で働きたい」等のご意見を頂きたいと思います。

 頂いたご意見を集約し暫定的な「理想の病院」として提示して、その「理想の病院」の存在を阻む障害を明らかに致します。また、その打開策を当会が作成中の政策提言に盛り込んで具体化していく所存です。

 今回のオープンミーティングも当会の活動をより多くの方に知って頂き、忌憚のないご意見を賜ることを第一に考えておりますので、宜しければご友人等もお誘い合わせのうえ、お気軽にご参加ください。


              記

日 時 12月11日(日) 14:30 ~ 16:30(開場14:00 ~)
            
場 所  港区立虎ノ門いきいきプラザ(http://p.tl/pyKy

アクセス  地下鉄銀座線虎ノ門駅 1番出口 徒歩7分

                           以上

予定プログラム
14:30 ~ 開会あいさつ
14:35 ~ FTP活動報告(小笠原村 現場視察報告)
14:50 ~ 質疑応答
15:00 ~ 休憩
15:10 ~ オープンミーティング
       自己紹介、ブレスト、意見交換等
16:25 ~ 閉会あいさつ


 また人数確認のため、恐れ入りますが 11月30日(水)までに、出席の
ご連絡を下記アドレスまで頂ければ幸甚です。

ご参加連絡はこちらへ ⇒ freedom2patients@gmail.com

===========【第4回オープンミーティング】===========
お名前:
所属:(お勤め先、活動団体等)
E-メール :
参加人数(ご本人も含めて)  名
==================================



Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年11月11日11:51

【書籍紹介 第11回】『民主党政権の医療政策』

10月4日

『民主党政権の医療政策』
 二木 立 (著)

 全編を通して、医療政策における「政治主導」の在り方について考えさせられる一冊です。文体が平易で非常に読みやすいのですが、扱っている内容は高度で読みごたえは十分にあります。

 特に2010年の診療報酬改定についての一連の論説は、中立的なスタンスから分析されており、実質的にはプラスではなく「ゼロ改定」だと言及しており、また日本医師会の中医協メンバー推薦枠の撤廃については、配慮義務違反であり、不適切であったと主張しています。

 事前もしくは事後に、当時の大臣である長妻昭氏の著作『招かれざる大臣 政と官の新ルール』を読まれると、内容の対比ができて非常に有意義だと思います。

  <目次>
  第1章 政権交代と民主党の医療政策
  第2章 民主党政権の医療政策の逐次的検証
  第3章 民主党政権下の混合診療原則解禁論争
  第4章 政権交代と今後のリハビリテーション医療
  第5章 自公政権末期の医療改革提案批判
  第6章 医療費抑制政策の検証と改革提言,川上武氏の業績
  コラム 川上武先生の思い出──3つの名言
                                                   (文責:若狹)

民主党政権の医療政策


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年10月04日19:30

離島医療の理想像 -小笠原村診療所-

9月12日
当会の若狹が、東京都小笠原村の小笠原村診療所を視察して参りましたので、ご報告をさせて頂きます。

 9月12日に小笠原村診療所の担当者にお話しを伺い、診療所施設を見学させて頂きました。今回はホームページ等で調べれば分かることではなく、直接現地に赴かなければ知ることができなかったことを中心にご報告致します。

 今回の視察で、小笠原村診療所はある意味で、離島医療の理想像を体現しているのではないかと感じました。
 
 ヒアリングのなかで、「国や医療行政に望む、援助や政策にはどんなものがありますか?」という私の質問に対して、担当者は「特にありません」と回答されました。
 色々とお話しを伺うなかで、この回答の真意は「ないものねだりをするのではなく、現状と将来を見据えて出来ることを粛々と実行していく」それが自分たちの仕事であるという自負による返答であることが伝わってきたからです。島内出産の方針がそのことを明確に表しています。

 現在、小笠原村では、島内出産ができません。これは産科医の在不在が問題の本質にあるのではなく、出産というシステム(具体的には出産前後に専門的なケアがある程度の期間必要とされる等)を考えたとき、離島という小笠原村の現実を鑑みれば、必要十分なケアを継続的に行うことは難しいという判断から、今後も実施する予定は無いとの回答でした。対応策としては、島民の島外出産を支援する制度を各種整備しています。

 人工透析についても同様です。現状、小笠原村では人工透析が必要な疾患を患った時点で、島外への移住が必要となります。人工透析についても今後、島内で実施の予定はありません。急変時の対応の遅れが致命的な疾患の対応は、基本的に行わない(行えないのではない)というのが、その理由です。島外の病院への患者収容までの平均所要時間が、約9時間30分という現実を見据えての対応であることが分かります。

 そしてこれは、特に重要で忘れてはならないことですが、上記のような環境であることを小笠原村の島民は、きちんと受け入れたうえで暮らして居るということです。
 今や地域医療は離島やへき地に限らず、住民の理解と協力がなければ立ちゆかない状態です。医療機関と住民の相互努力によって限られた医療資源を有効活用する、そのひとつの理想像が小笠原村と小笠原村診療所にはあるように思います。


 補足
・診療所の設備について
 22年5月に旧施設の老朽化に伴い、介護施設と一体化した現診療所を整備、開設した。少ない人員でケアを行っているので、診療所スタッフの動線が非常に考慮された作りになっている。各部屋の裏口が一本の道で繋がっており、極力ドアに手を触れずに迅速に必要な部屋に移動できる様に配慮されている。
 また台風が10回くれば10回停電するような環境なので、自己発電設備は充実している。診療所のフル機能を使用したとしても丸3日は賄うことが可能とのこと。

・基礎データ
 スタッフ
 医科 医師3名(内、都派遣医師1名)、看護師10名、助産師1名、薬剤師1名、Ⅹ線技師1名、理学療法士1名、栄養士1名、調理師2名
 歯科 医師、技工士、衛生士 各1名
 事務 課長以下4名

 診療実績(平成22年度)
 医科 年間外来患者数 8,374人 1日平均患者数 34.5人(外来243日)年間入院患者数 37人 年間入院実日数 73日
 歯科 年間外来患者数 1,050人 1日平均患者数 4.3人(外来243日)

 緊急患者搬送実績(平成22年度)
 年間搬送数 21件・23人 病院収容までの平均所要時間 9時間16分

 医療機器(主なもの)
 医科 CT・X線装置、ポータブルレントゲン、超音波診断装置、人工呼吸器、除細動装置、心電計、血算・生化学検査器、血液ガス分析装置(小型)他
 歯科 診療ユニット、歯科Ⅹ線装置、パノラマⅩ線装置、歯科技工器材 他

                                                    (文責:若狹)

Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年09月19日23:04

【書籍紹介 第10回】『招かれざる大臣 政と官の新ルール』

9月3日

『招かれざる大臣 政と官の新ルール』
 長妻 昭 (著)

 厚生労働大臣として在任中の出来事を記した回顧録にして奮闘記。医療行政に関連して注目すべきは、中医協メンバーの刷新です。「診療報酬10年ぶりのプラス改訂」の裏で、診療報酬の重点配分の変更を実現するために断行した、日本医師会の中医協メンバーの推薦枠の撤廃については、その理由と課程も含めて一読の価値があります。

 短い間ではありますが、秘書として行動を共にした経験から、著者の人となりを例えると「ナタのような人」だと感じています。刃物の中ではナイフや包丁などと違い、主流派ではなく、その用途も限定されてはいますが、正しく力を込めることで、堅い木材であっても真正面から鋭くかち割ることができる。そんな著者の政治姿勢がにじみ出ている一冊です。

  <目次>
  第1章 大臣退任の日
  第2章 熱狂の政権交代
  第3章 役所文化との闘い
  第4章 官僚の抵抗
  第5章 政治家を志した理由
  第6章 民主党はどこへ向かうのか?
  第7章 未来への提言
                                                   (文責:若狹)

招かれざる大臣 政と官の新ルール (朝日新書)


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年09月03日16:22

【書籍紹介 第9回】『病院長が教える賢く病院と付き合う方法』

8月16日

『病院長が教える 賢く病院と付き合う方法』
 毛利 博 (著)

 医師の視点から、日本の医療や病院の実態について解説をしています。この本の特徴は、数々の問題点を列挙するだけで終わるのでなく、きちんと改善策まで提示していることです。
 特に第2章にある「かかりたくない医師・看護師」の項は、患者よりもむしろ医療従事者の方々に目を通して頂き、是非、自戒としてもらいたいほど秀逸。
 また、患者側としても第4章にある「専門医が偉いわけではない」の項については、大病院志向を見直し、病院と診療所の連携を推進するためにも、十分理解したい内容です。

  <目次>
  第1章 「良い医療」とはいったいどういう意味なのか?
  第2章 では、具体的に「良い医療」を受けるにはどうするか?
  第3章 良き治療を受けるためになってはならない患者とは?
  第4章 地方病院や勤務医が今、本当に厳しいことも知って下さい
                                                   (文責:若狹)

病院長が教える賢く病院と付き合う方法 (B&Tブックス)


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年08月16日23:13

【書籍紹介 第8回】『失われた「医療先進国」』

8月6日

『失われた「医療先進国」』
 岩本 裕 NHK取材班 (著)

 NHK取材班によるルポを、著者が「週刊こどもニュース」で培った解説力で説明する良著です。現場の実情を示して、何が原因でそのような現状になっているのかを解説するパターンで、日本の抱える医療問題に言及しています。
 専門用語をほとんど交えずに分かりやすく説明されているので、中高生におすすめできる点も特徴です。また、第7章の「家庭医」の章では、医療崩壊が叫ばれて久しい日本の医療に対する処方箋が、具体例と共に示されています。

  <目次>
  第1章 危機に立つ救急医療
  第2章 臨床研修制度の波紋
  第3章 勤務医から開業医へ
  第4章 病院の責任は問えるか
  第5章 ヨーロッパの医療制度改革
  第6章 医療改革への挑戦
  第7章 「家庭医」は根づくか
                                                   (文責:若狹)

失われた「医療先進国」 (ブルーバックス)


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年08月06日09:44

第3回オープンミーティングを開催致しました

5月28日


 第3回となる今回は「理想の医療」をテーマに、八王子で患者本位の医療を展開されている北原国際病院のまちづくりプロジェクトの担当者様をゲストに迎えて、医療関係者、福祉関係者、研究者、企業経営者等々、幅広いバックグラウンドを持つ方々にご参加頂きました。

 前半は、北原病院が取り組まれている様々な活動につきましてご紹介を頂き、質疑応答に関しましても活発なご発言がありました。後半は「理想の医療」をテーマに、日本の医療全般について本質的な議論が交わされ、予定の時間をオーバーして、会場の貸し切り時間ぎりぎりまで意見交換を行いました。

 参加頂いた皆様におかれましては、忌憚のないご意見を多数賜りましたこと、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
 頂戴しましたご意見の一部は当会の【患者の声】のページにてご紹介をさせて頂いております。

 次回は夏頃に開催したいと考えております。
 今回ご参加頂いた方々も、決して専門家や実務者だけではなく、関心がある程度で普段は全く別の仕事をしているという方も複数いらっしゃいました。

 一生のうちで一度も病院に行くことなく生を終える人は恐らくいないでしょう。医療はこの世界に生きるすべての人にかかわる問題です。特に医療に興味・関心のない人でも、体調を崩して医療機関に赴いた際には何かしら感じることがあると思います。

 その時感じる想いが、少しでも「良い」ものとなりますように、今後とも活動を続けてまいります。
                                                (文責:若狹)


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年05月29日00:16

【ご案内】 5月28日(土) 第3回オープンミーティング

4月16日 5月18日更新

 第3回となる今回は「理想の医療」をテーマに、皆さまの体験談や医療に対する想いをご発言頂きたいと思います。
 頂いたご意見は当会が作成中の政策提言に、改善策として盛り込み具体化していく所存です。

 また先日ご紹介致しました通り、『 「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! 』の著者である、北原茂美先生が理事長を務め、八王子から世界へ向けて患者本位の医療を発信している、医療法人KNIの医療施設を見学して参りました。

 当日は、医療法人KNIのご担当者様にも出席頂き、北原病院とそのプロジェクトについて、直接お話しをして頂けることになりました。

 今回のオープンミーティングも当会の活動をより多くの方に知って頂き、忌憚のないご意見を賜ることを第一に考えておりますので、宜しければご友人等もお誘い合わせのうえ、お気軽にご参加ください。


             記

日 時 5月28日(土) 14:30 ~ 16:30(開場14;00 ~)

場 所  港区立虎の門健康福祉館(http://p.tl/0_tP

アクセス  地下鉄銀座線虎ノ門駅 1番出口 徒歩7分

                            以上

  予定プログラム
 14:30 ~ 開会あいさつ
 14:35 ~ FTP活動報告(現場視察報告)
 15:00 ~ 質疑応答
 15:20 ~ 休憩
 15:30 ~ オープンミーティング(自己紹介、ブレスト、意見交換等)
 16:25 ~ 閉会あいさつ

 17:00 ~ 新橋駅付近で二次会予定
  
また人数確認のため、恐れ入りますが 5月26日(木)までに、出席の
ご連絡を下記アドレスまで頂ければ幸甚です。

ご参加連絡はこちらへ ⇒ freedom2patients@gmail.com

=======【第3回オープンミーティング(ブログ)】======
お名前:
所属:(例 お仕事・活動団体等)
E-メール :
参加人数(ご本人も含めて)名
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Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年04月16日09:10

「患者本位の医療」北原国際病院を見学しました

4月9日



 【書籍紹介】でもご紹介致しました、『「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! 』の著者である、北原茂実先生が理事長を務める、医療法人社団KNIの医療施設を見学して参りましたので、ご紹介致します。

 医療法人社団KNIは、医療と教育を中心とした国際都市八王子を目指して「医療のまちづくりプロジェクト」を推進しています。今回はその中核となる医療施設である、北原ライフサポートクリニック、北原リハビリテーション病院、そして北原国際病院をご案内頂きました。

 北原ライフサポートクリニックはJR八王子駅徒歩1分という好立地にあります。脳神経外科、小児科については日曜診療も行っています。このクリニックでは、通常不満の多い待ち時間について、近くのお店で買い物をしたり、カフェや書店でくつろげるように携帯電話を活用して、時間になったら呼び出しを行うというシステムを導入しています。

 北原リハビリテーション病院の特徴は、1対1のリハビリテーションと、なによりその施設の設立経緯にあります。設計段階から入所1年目の新人をはじめ、全ての従業員が設計図に書き込みを行い、理想の医療を提供する施設を設計から一丸となって作り上げました。また著作でも紹介されている「家族ボランティア」制度も特徴的です。

 北原国際病院は、医療法人社団KNIの中核となる本院です。外観は救急車が止まっていなければ、高級マンションとでも見間違うように洗練されています。これはどの施設にもいえることですが、医療施設が持つネガティブな雰囲気、外観、内装、臭い等は極力排して、ホテルのようなアメニティーとホスピタリティーを提供することで、患者がストレスなく過ごせるように考え尽くされています。

 このようにハード面が大変充実していますが、これはむしろソフト面を重視した結果、必要となる施設・設備を整備した結果なのだと感じました。さまざまな視点から法人の理念である「患者本位の医療」を実践されています。

 改めて告知を致しますが、来月5月28日(土)に第3回のオープンミーティングを開催する予定です。そのなかでも、今回の施設見学につきましてご報告をする予定ですので、ご興味を持たれた方はこちらにご参加頂ければ幸甚です。 
                                                 (文責:若狹)


「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! (講談社プラスアルファ新書)


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年04月10日10:44

【書籍紹介 第7回】『外国人患者への外来対応マニュアル』

3月7日

『外国人患者への外来対応マニュアル―医師・看護師・コメディカルに役立つ』
 小林 米幸 (著)

 マニュアル集に止まらない名著です。類書がほとんど存在しないので、実例報告とその対処法は医療の現場で重宝するでしょう。ですが、この本の特徴はそれだけではありません。
 
 政策研究者ですら知る者の少ない「行旅病人及行旅死亡人取扱法」の実際の運用例や、外国人無保険者への対応の実態など、外国人診療における制度上の問題点をほぼ網羅しているので、研究書としても有益です。
 
 また、「医療通訳」の重要性と具体的な活動についても言及していますので、その点に興味のある方にもお勧めします。

  <目次>
 1.今なぜ「外国人医療」が医療機関および医療従事者にとって見過ごせない問題であるのか
 2.外国人を診ることに法律的問題はないのか
 3.外国人をめぐる医療を複雑にしているもの 国,地方自治体のダブルスタンダード政策
 4.外国人を診療していく上で問題になることは何か?
 5.コミュニケーションの諸問題
 6.医療に影響を与える文化・習慣,考え方の違い
 7.食事指導で注意すべきこと
 8.日本の医療と海外の医療の違い
 9.医療費の問題
 10.診療を始めるための準備
 11.お金が払えないと言われたら
 12.帰国を希望した場合
 13.患者が死亡した場合
 14.エイズについて
 15.その他,特に注意すべき事柄
 16.外国人医療・・・・今後の課題
                                                 (文責:若狹)
外国人患者への外来対応マニュアル―医師・看護師・コメディカルに役立つ


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年03月07日15:03

【書籍紹介 第6回】『行列のできる審議会~中医協の真実』

3月3日

『行列のできる審議会~中医協の真実』
 新井裕充 (著)

 中医協で行われている議論の内容を詳細に伝えています。しかしながら、議論自体が高い専門性を持っているので、内容を理解できるのは医療及び医療行政を勉強した者か、業界関係者に限られてしまうのが非常に残念。
 
 筆者は随時、コメント引用の後に噛み砕いた説明を加えてはいるが、それでも「初心者お断り」の看板を外すには至っていません。逆に精通する者にとっては噴飯ものの議論が交わされる様子が事細かに描写されているので、情報収集という点では良書です。

  <目次>
 第1章 中医協へようこそ
 第2章 中医協は何のためにあるのか
 第3章 これが厚労省のやり方だ
 第4章 中医協は変わるのか
 第5章 議論すべきは何か
                                                 (文責:若狹)
行列のできる審議会~中医協の真実 (ロハスメディカル叢書)


Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年03月03日11:46