【書籍紹介 第9回】『病院長が教える賢く病院と付き合う方法』

8月16日

『病院長が教える 賢く病院と付き合う方法』
 毛利 博 (著)

 医師の視点から、日本の医療や病院の実態について解説をしています。この本の特徴は、数々の問題点を列挙するだけで終わるのでなく、きちんと改善策まで提示していることです。
 特に第2章にある「かかりたくない医師・看護師」の項は、患者よりもむしろ医療従事者の方々に目を通して頂き、是非、自戒としてもらいたいほど秀逸。
 また、患者側としても第4章にある「専門医が偉いわけではない」の項については、大病院志向を見直し、病院と診療所の連携を推進するためにも、十分理解したい内容です。

  <目次>
  第1章 「良い医療」とはいったいどういう意味なのか?
  第2章 では、具体的に「良い医療」を受けるにはどうするか?
  第3章 良き治療を受けるためになってはならない患者とは?
  第4章 地方病院や勤務医が今、本当に厳しいことも知って下さい
                                                   (文責:若狹)

病院長が教える賢く病院と付き合う方法 (B&Tブックス)
  

Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年08月16日23:13

【書籍紹介 第8回】『失われた「医療先進国」』

8月6日

『失われた「医療先進国」』
 岩本 裕 NHK取材班 (著)

 NHK取材班によるルポを、著者が「週刊こどもニュース」で培った解説力で説明する良著です。現場の実情を示して、何が原因でそのような現状になっているのかを解説するパターンで、日本の抱える医療問題に言及しています。
 専門用語をほとんど交えずに分かりやすく説明されているので、中高生におすすめできる点も特徴です。また、第7章の「家庭医」の章では、医療崩壊が叫ばれて久しい日本の医療に対する処方箋が、具体例と共に示されています。

  <目次>
  第1章 危機に立つ救急医療
  第2章 臨床研修制度の波紋
  第3章 勤務医から開業医へ
  第4章 病院の責任は問えるか
  第5章 ヨーロッパの医療制度改革
  第6章 医療改革への挑戦
  第7章 「家庭医」は根づくか
                                                   (文責:若狹)

失われた「医療先進国」 (ブルーバックス)
  

Posted by Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~. at 2011年08月06日09:44