【補講・あとがきにかえて】 

Freedom to Patients ~患者視点の医療政策を考える会~

2011年01月13日 21:56

1月13日

 25回にわたり連載致しました「論文簡略版」ですが、その元になっているのは平成22年3月に筆者が修士(国際医療協力)の学位認定を受けた論文になります。そのため、使用しているデータや制度等は主に平成21年末までのものが主流を占めています。

 当然のことですが、当時とは変化している点がいくつかあります。
 特に執筆中には、個人的な構想・政策案や未来予測でしかなかったことが、現実に動き出していることを今回の連載中に頂いたコメントで知ることができたのは、大きな喜びでした。

 医療は遅行指数の最たるものですので、改善や改革などで成果を実感するには年単位が必要になることも珍しくありません。一例を挙げれば、医学部教育を抜本的に改革したとして、その成果が得られるには10年程度の時間を要します。それは新しい制度で育成された医師が一人前になるためにその時間が必要だからです。

 医療政策は常に未来を見据えなければなりません。それは場合によっては、現在の時点ではデメリットが多いと思えることでも、必要であれば取り組む決断をする勇気が求められることを意味しています。即物的な金銭の大小や対症療法的思考ではなく、根治療法を目指し、描く理想を実現するために、中長期的視野での政策立案に今後とも取り組んで参りたいと思います。
                                                (文責:若狹)

【お知らせ】
次回からは5回程度に分けて、連載した論文の要約を掲載致します。

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