
『外国人患者への外来対応マニュアル―医師・看護師・コメディカルに役立つ』
小林 米幸 (著)
マニュアル集に止まらない名著です。類書がほとんど存在しないので、実例報告とその対処法は医療の現場で重宝するでしょう。ですが、この本の特徴はそれだけではありません。
政策研究者ですら知る者の少ない「行旅病人及行旅死亡人取扱法」の実際の運用例や、外国人無保険者への対応の実態など、外国人診療における制度上の問題点をほぼ網羅しているので、研究書としても有益です。
また、「医療通訳」の重要性と具体的な活動についても言及していますので、その点に興味のある方にもお勧めします。
<目次>
1.今なぜ「外国人医療」が医療機関および医療従事者にとって見過ごせない問題であるのか
2.外国人を診ることに法律的問題はないのか
3.外国人をめぐる医療を複雑にしているもの 国,地方自治体のダブルスタンダード政策
4.外国人を診療していく上で問題になることは何か?
5.コミュニケーションの諸問題
6.医療に影響を与える文化・習慣,考え方の違い
7.食事指導で注意すべきこと
8.日本の医療と海外の医療の違い
9.医療費の問題
10.診療を始めるための準備
11.お金が払えないと言われたら
12.帰国を希望した場合
13.患者が死亡した場合
14.エイズについて
15.その他,特に注意すべき事柄
16.外国人医療・・・・今後の課題
(文責:若狹)
外国人患者への外来対応マニュアル―医師・看護師・コメディカルに役立つ