7月29日(木)
日本リザルツ主催の「国際ラウンドテーブル 地球危機の最前線で ~世界基金のこれからを考える~」に当会の成瀬と若狹が出席致しましたので、ご報告を致します。
三大感染症(マラリア・結核・HIV)対策について国際基金の活動を考えるというのが、今回の主旨でした。規模は小さいながら出席者の国籍はアメリカ、フランス、フィリピン、ザンビア等、多岐にわたり国内からは外務省、厚生労働省の官僚が出席した国際会議です。
今回、成瀬は元結核患者として、そして現在はその撲滅に取り組む者として、報告された途上国での結核患者の年齢構成について、その詳細を把握することでより質の高いケアを行えるのでないかという主旨の発言を行いました。
また、若狹は、同席された仙台赤十字病院・岡山博教授の「感染症対策には行政(国家)が義務として全力で取り組むことが不可欠である」とのご意見に賛同し、フィリピンの例を挙げ下記のような主旨の発言を行いました。
「フィリピンでは限られた医療資源を国家政策としてトリクルダウン仮説に基づくメディカルツーリズムに投入している。(貧者が直接医療の恩恵にあずかれていない)このような政情で感染症対策を十全に行うには困難が予想されるが、その点は政府とどのような関係性を構築するのかが問題なので、十分に検討してもらいたい」
今回の国際会議で改めて感じたことは、医療に関する問題は、各分野の専門家が寄り集まってそれぞれの見識を披露するだけでは、問題解決の糸口すら見つけることは出来ないということです。
その意味では、ある特定医療分野の専門家(スペシャリスト)でありながら、政治的大局もみることのできる(ゼネラリスト)の存在が必須であり、近い将来、筆者自身がその役目を負うことができるよう精進を続けたいと思います。
(文責:若狹)